王司さんが、遠矢くんのお兄さん?
なのに敬語を使うのっ…?
「…兄ではありません、王政様。
わたくしは、王政様の家老。
敬語を使うのは当たり前でございます」
「…兄上。
良い加減にしてください」
「良い加減にするのはどちらですか!
勝手に三神家を抜け出し行方不明などとなるだなんて!
三神王政様は三神家ご当主と言う役目があるのですよ?」
「……僕は、三神家の人間ではないとしても?」
三神家の人間じゃない?
どういうこと?
「僕は確かに名字はミカミです。
ですが、僕のミカミは、“美しい神”と書く美神。
“三つの神”と書く三神ではありません」
美神と三神。
2つのミカミ…。
「…何が言いたいのですか」
「兄上もご存知でしょう?
兄上は“三つの神”三神家の人です。
ですが僕は元々“美しい神”の美神家の人。
僕は99代目三神王政の養子です。
ですから兄上、あなたとは義理の兄弟です。
それなのに、僕が100代目三神王政を継いだんですよ?
兄上、あなたは僕を許せないはずです」
三神ではない、美神の人間が三神家トップである三神王政を継ぐ。
生まれた時から三神の王司さんは許せないはずだ。
確かにそうだ。
まさか義理の弟にトップの座を取られるなんて。
…許すことなんて出来ないだろう。


