遠矢くんが…
100代目三神王政……!?
王司さんの衝撃の告白に、ばぁちゃん・紅葉さん・海鳴さんが目を見開く。
「しかし、驚きましたよ王政様。
何故美神遠矢などと名乗っているのですか」
「………」
「あなたは三神王政様でしょう?
美神遠矢などと言った名前は捨ててください」
「………」
「いつまでも過去に囚われないでください。
あなたは100代目三神王政様なのですよ」
「…うるさいですよ」
「王政様?」
「…その名前で呼ばないでください」
そう言う遠矢くんの声は、震えていた。
いつの間にか、周りには村人たちが集まっている。
小さな村なので、情報がまわるのが早いのだろう。
「僕は、三神家を捨てたんです。
出るとき、そう言いましたよね?」
「それはなりませんと申したはずです。
王政様は、死ぬまで王政様。
99代目様の遺言通り、あなたは100代目三神王政なのですよ?」
「敬語など使わないでください。
あなたは僕の…
兄なのですから」


