あたしは急いで来たお母さん、先生に色々聞かれた。

あたしは剣持が嘘をつき、ルカが勘違いの末自殺したことを伝えた。

お母さんは信じてくれたけど、先生は半信半疑。

「何で笹山に言えなかった?」とあたしを少しだけ責めるような発言をしていた。





「アンタのせいよッ」




まるで剣持を責めたあたしと同じよう、あたしを責めるルカのお母さん。

初めて見た、ルカのお母さん。

ルカとは似ても似つかない、派手なお母さん。

ルカのお父さんはあたしを責めるルカのお母さんとは違い、興味がないようにただただボーッとしていた。

ルカの両親の温度差に、あたしは疑問を持った。





あたしはお母さんから、ルカの家庭事情を聞いた。

ルカのお父さんはルカのお母さんの再婚相手。

そのお父さんは、結構大きな会社の経営者らしい。

根っからの仕事人間のお父さんにはルカは愛されず、教育熱心なお母さんはルカに会社を継げるよう勉強漬けの毎日を要求した。

昔から関わる人間をお母さんに決められて来たルカは、目立たない地味な子になってしまったらしい。




あたし、ルカの親友とか言いながら、ルカのこと、何にも知れなかったんだ。

知らないまま、ルカは亡くなった。

ルカも、剣持の表の顔しか知らず、あたしを“裏切り者”として自ら命を絶った。




あたしはルカのお母さんに責められながら、何も言わず、涙を流した。




もう、何も言えない。

ごめんねも、真実も。