「あの、あなたは…?」
「ああ、失礼いたしました。
まだ名乗っておりませんでしたね」
男の人は一礼した。
「三神王司(おうじ)と申します。
99代目三神王政の息子です」
「え?
じゃあ、100代目三神王政と言うのは?」
彼―――王司さんじゃないの?
「100代目王政様も、99代目の息子ですよ」
「そうなんだ…」
「現在わたくしは、100代目王政様の、家老をしております」
家老!
聞いたことある。
確か、現代の言葉で、執事ってことだよね。
「兄弟の家老なんですね」
「…ええ、まあ。
しかし99代目王政がお決めになられたこと。
わたくしは、何の口出しも出来ませんよ」
「そうですか…」
「…小町さん。
あなたは珍しいお人ですね」
「え?」
あたしが珍しい?


