お昼の時間になり、あたしは家へ遠矢くんを迎えに行った。
遠矢くんの怪我は、普通に歩いてはいるけど完治はしていないので、安静をとって家で休んでいる。
ただで休むわけにはいかないから、と遠矢くんは家の仕事をしている。
「遠矢くん」
「あ、小町さん」
「お昼行こう」
「はい」
少し歩き、例の桜の木の下に座る。
そして、ばぁちゃんのおにぎりを食べながら、口を開く。
「遠矢くん、紅葉さんから聞いたんだけど」
「はい」
「三神村の100代目三神王政が、行方不明らしいよ」
「…そうなんですか」
「あれ?驚かないの?」
思っていたより、薄い反応だった。
「僕が三神村を出るときには既に、三神王政はいませんでしたから」
なるほど。
もう聞いた情報だったんだ。


