すると。




「うわぁ~…」




田んぼ沿いに、大きな桜の木を見つけた。




その桜を見て最初の感想は、立派。

桜広場の桜よりも立派で、凄く大きい。

淡いピンク色の桜は、青空を背景にし、風に靡いている。

花弁を支える茶色く太い幹は、しっかりと地面に根をはっている。

こんなに立派な桜の木…見たことない。




「よし。ここで食べよう」




あたしは根元に座りこみ、ばぁちゃんのくれた笹の葉を開けた。

中身は、綺麗な三角形のおにぎりが2つ。

ばぁちゃんの作る料理はどれも美味しいため、




「美味しい~!」




頬を緩ませながら、あたしはおにぎりを頬張る。

頬についたご飯粒を取りながら、食べ進めて行く。




あたしはひいひいばあちゃんの時代にいるけど、現代の人。

だから、現代のことが気になるけど。



この時代で生きるのも、良いかもしれない。

桜の木の下でおにぎりを頬張るなんて贅沢なこと、現代じゃあり得ないものね。



クヨクヨしていても仕方ない。

あたしは、この時代で生きることに決めた。