「そういえば、僕たちはこんなにのんびりしている暇はありませんね」

「うん、そうだね」




遠矢くんは、部屋の片隅にかけられていた鞘を手に取った。





「僕が、美神家を終わらせます」

「遠矢くん、あたしも手伝う」

「小町さんも?
危険ですよ…」

「大丈夫!
だってあたしには櫻刀がついているんだもん!
自分の身は、自分で守るよ!!」

「…小町さん。
あなたほど勇敢な人は見たことありません」





遠矢くんは微笑む。

…その笑顔、あたし…守れるかな。






「僕も出来る限り、小町さんを守ります。
もし、守り切れたら……」





遠矢くんの言ったことに、あたしは頷く。





「じゃ、行きますか」

「うんっ!」





あたしたちは、部屋を後にした。