「ちなみにわしは、野桜梅子(うめこ)だべさ。
そー考えてみりゃあ、小町と同じ名字だなぁ」
「アハハ」と笑うおばあさん。
野桜…梅子!?
「え?
あなた、野桜梅子さんですか!?」
「そーよ。
何で名前に嘘つかなぁいけないのさ」
野桜梅子…。
あたしの、ひいひいばあちゃんの名前……?
同姓同名?
梅子なんて、よくある名前だし…。
でも、野桜と言う名字は殆どない。
友達とか先生にも、珍しい名前だな言われるし。
野桜梅子…。
あたしのひいひいばあちゃんが、何でいるの?
もしかしてあたし…
タイムスリップしたっ!?
今の時代タイムスリップ!?
嘘だろ…あり得ないっ!!
でも、この状況、どうやって説明する?
タイムスリップだと考えれば、服装や家が古めかしいのとも辻褄が合う。
もしかしてあの不思議な声が、
あたしをタイムスリップさせたのっ…?