「天才剣士の息子だが何だか知らないが、アイツは親に殺されそうになったんだぞ。
それを不憫に思った父上が引き取った養子だと言うのに!
いつの間にか俺より気に入られ、俺より剣の腕は高くて。
遂には俺の夢だった、三神王政の名まで奪いやがった!!!」




遠矢くんだ…。




てか、どういうこと?

親に殺されそうになった?

養子?

剣の腕が高い?

三神王政の名を奪った…?

知らない事実がポンポン飛び出してくる。





「なのに!
アイツは三神王政の名を放棄すると言った!
そんなこと、許されねぇのに…。
そうしたら、アイツは行方不明になりやがった!
俺がずっと憧れていた三神王政を、アイツは…アイツは……ッ」




静かに涙を流し始める王司さん。




「だが最近!
ようやくアイツは見つかった!
これで閉じ込めれば、いつしか立派な100代目となるだろう!

それを邪魔するのは、
この三神王司が許さないっ!!!」





サッとあたしたちの目の前に刀を出す王司さん。

つられて、あたしも刀を出す。



海鳴さんからもらった、櫻刀を。