「麻紀おはよ」
「亜澄!」
昇降口を通り過ぎたところで麻紀を見つけて声を掛けた。
教室に向かうのに、多少謹慎あけという気まずさがあったから麻紀と一緒に行けるのは嬉しい。
けれどホッとした心境なのは私の筈なのに、麻紀の方が安心した表情をする。
その表情に、ここで会った事が偶然では無い事に気が付いた。待っていてくれたんだ。麻紀は。
麻紀は笑顔で楽しそうにお勤めご苦労とかなんとか、任侠映画に出てくる親玉が刑期を終えた子分に向けるかの様なブラックジョークを飛ばしてくる。
私はそんないつも通りの麻紀の軽口に心から安心した。
「なんかさ、佐伯に色々話してくれたんだって? ありがと」
「当たり前でしょ? お礼はハーゲンダッツでいいよ」
「……コンビニでもいい?」
それに二人で笑いあった。
三日で謹慎が済んだのも、あの、最終日の反省文が受理されたのも、麻紀が話をしてくれたお蔭だろう。
麻紀と真人の話が携帯を取り上げられていた私の話と相違が無かったから受け入れられた。
そう思えばやっぱりコンビニアイスじゃ安上がりすぎるなと、冗談を返してからこっそりそう思った。
「……ねえ。なんでさ、暴力女が普通にいるの?」
二人で少し品悪く廊下ではしゃいでいれば、悪意ある高い女の声が耳に響いた。
固有名詞を使われていなくても、自分の話だと分かるから人ってすごい。
しかも私にとって悪い噂話をされるのは日常茶飯事だから尚更すぐに分かってしまう。
「亜澄!」
昇降口を通り過ぎたところで麻紀を見つけて声を掛けた。
教室に向かうのに、多少謹慎あけという気まずさがあったから麻紀と一緒に行けるのは嬉しい。
けれどホッとした心境なのは私の筈なのに、麻紀の方が安心した表情をする。
その表情に、ここで会った事が偶然では無い事に気が付いた。待っていてくれたんだ。麻紀は。
麻紀は笑顔で楽しそうにお勤めご苦労とかなんとか、任侠映画に出てくる親玉が刑期を終えた子分に向けるかの様なブラックジョークを飛ばしてくる。
私はそんないつも通りの麻紀の軽口に心から安心した。
「なんかさ、佐伯に色々話してくれたんだって? ありがと」
「当たり前でしょ? お礼はハーゲンダッツでいいよ」
「……コンビニでもいい?」
それに二人で笑いあった。
三日で謹慎が済んだのも、あの、最終日の反省文が受理されたのも、麻紀が話をしてくれたお蔭だろう。
麻紀と真人の話が携帯を取り上げられていた私の話と相違が無かったから受け入れられた。
そう思えばやっぱりコンビニアイスじゃ安上がりすぎるなと、冗談を返してからこっそりそう思った。
「……ねえ。なんでさ、暴力女が普通にいるの?」
二人で少し品悪く廊下ではしゃいでいれば、悪意ある高い女の声が耳に響いた。
固有名詞を使われていなくても、自分の話だと分かるから人ってすごい。
しかも私にとって悪い噂話をされるのは日常茶飯事だから尚更すぐに分かってしまう。
