砂の鎖のレビュー一覧
5.0
水商売をしていた母を失い、義父の拓真と二人暮らしをしているあず。
あずの前には、いつだって厳しい現実が先にある。
だから、その中での最善を尽くした。
ママが好きだった。だから大人のように頑張った。
でも肝心なことを相談してもらえない。
彼氏の真人を好きになりたかった。でもどこか冷めた自分もいる。
望む現実はあくまで理想。
だけど本能のままに生きるには現実がそれを許さない。
拓真は家族。
それはあずを救って、でも傷つけて。
思春期の少女の切ない成長の物語です。
春日ココ。さんの作品はいつも現実は甘いだけじゃない事をやんわりと教えてくれる。 母と死別し義父と暮らす亜澄。 水商売をしていた母や若過ぎる義父といった少し特殊な環境が時に亜澄を傷つけ、また強くする。 「砂の鎖」で描かれているのは主人公亜澄の成長だ。 ただ亜澄は一足飛びに大人にはならない。何かを経て変わってゆく部分があり、また変われない部分も残しながらその階段を一歩ずつ登って行く。物語はその過程を切り取っている。 決して太刀打ち出来ない現実の壁が彼女を阻むけれど、切なさを残しつつも温かい気持ちになるのはそれでも尚前を向いて進もうとする亜澄の意志を感じる事が出来るからだ。 読み終えると作中一番の「大人」である教師佐伯の言葉がじんわりと沁みてくる。「大人になるということは自分の弱さと向き合うこと」。 読んだ人間の心の端を優しく引っ掻き微かな傷を残す、そんな青春小説。
春日ココ。さんの作品はいつも現実は甘いだけじゃない事をやんわりと教えてくれる。
母と死別し義父と暮らす亜澄。
水商売をしていた母や若過ぎる義父といった少し特殊な環境が時に亜澄を傷つけ、また強くする。
「砂の鎖」で描かれているのは主人公亜澄の成長だ。
ただ亜澄は一足飛びに大人にはならない。何かを経て変わってゆく部分があり、また変われない部分も残しながらその階段を一歩ずつ登って行く。物語はその過程を切り取っている。
決して太刀打ち出来ない現実の壁が彼女を阻むけれど、切なさを残しつつも温かい気持ちになるのはそれでも尚前を向いて進もうとする亜澄の意志を感じる事が出来るからだ。
読み終えると作中一番の「大人」である教師佐伯の言葉がじんわりと沁みてくる。「大人になるということは自分の弱さと向き合うこと」。
読んだ人間の心の端を優しく引っ掻き微かな傷を残す、そんな青春小説。