砂の鎖

「玉ねぎなんてどれも同じだろ?」

「え。ちゃんと選ばなきゃダメだよ」


真人とつないだ手はそのままに、片手で玉ねぎの入ったネットを手にとっては返す。
その動作を数回繰り返した私に、真人は不可解な表情を浮かべていた。

男子高生なんてきっとこれくらいで普通なんだろう。

真人は余りスーパーで食品の買い物とかはした事が無いみたいだ。
時々私にこうして付き合って来るけれど、確実に面白くもなんともない筈だ。


「どれがいいの?」

「えっと……なるべく丸くてしまってて、頭押した時柔らかいのはダメね」

「俺に選ばせて」


そう言って、真人はかごを床に置くと真剣に玉ねぎと向き合いだした。


「あ。商品だからね。あんまり強く押しちゃだめだよ?」

「分かった」


真人は私に合わせて何だろう。

こんな事にも真剣に向かい合ってくれる。

彼の横顔を見て、クスリと笑った。


「亜澄、これは?」

「うん。及第点」

「よしっ」


真人は私の言葉に嬉しそうに笑った。