砂の鎖

真人はバス通学だ。

二人で帰る時はいつも、二人で歩いてスーパーに向かう。
小さなショッピングセンターの中に入ったスーパーだ。

自転車にまたがれば10分もかからないその距離を、二人で30分かけて歩く。

真人は週に3日、塾に通っている。
塾がある日はショッピングセンターの前から出ているバスで帰る。
時間があれば学校から程よく離れたことをいいことに、自転車に二人乗りをして私の家の前まで送ってくれる。

今日は真人は一緒に買い物に付き合うと言ってくれた。


「何買うの?」

「うーん。ひき肉と、牛乳と……あ。玉ねぎも買ってった方がいいかも……」


冷蔵庫の中身と今日の献立を考えながら私は口にした。


「ふーん」


興味があるのか無いのか、真人は適当な相槌をしながら私の手から買い物かごを奪う。

そうして、私の空っぽになった右手をいきなり掴むから、少し驚いてしまった。


「荷物、重いから俺が持つ」


紳士だな。さすが優等生。
そんな冷やかしの様な事も考えるけれど。


「……ありがと」


それでも、かごよりもつないだ手から伝わる熱を意識してしまった……


「まずはどっち?」

「……野菜から、かな」


スーパーに来慣れていない真人に先立って歩き出せば、ぐっと少し、手に力を入れられてドキリと心臓が震えた。

なんだか、周りの目が気になってしまう。

生鮮食品コーナーには目立つ制服姿のカップルを見る微笑まし気な視線に少し、居心地が悪くなった。