砂の鎖

授業が終わった後、帰宅部の私は図書室で過ごすことを日課にしていた。

スーパーのタイムセールが始まるのは五時半から。
スーパーは家と学校の間にあるから一度家に帰ってからまた出てくるのは面倒だ。
だからそれまでの時間をつぶすのに学校の図書室はうってつけだ。

図書室で今日出た宿題を片付けて、時間が余れば本を読む。

小学生の頃からそうしている。


今日も私は今朝配られた進路希望用紙を大して悩む事も無く簡単に記入して、それから数学の課題を黙々とこなしていた。

今日の五時間目の数学は思った通り大量の宿題が出た。

数学の教師は年配で気難しい人だ。

いつも章末の問題を数問次回までの課題にするのだ。
それを次の授業のはじめにランダムに生徒を指名して黒板の前で解かせるから、数学の前の時間は真面目な生徒のノートが飛び交い大騒ぎになる。


そんな鬱陶しくいつも通りの課題が出されて悲鳴があがる教室の中、真人だけは小さなガッツポーズをして私に目くばせをしてきて。

そんな彼に私は小さく笑った。


私は勉強は不得意ではない。
好きなわけでもないけれど。

こうして夕飯の買い物に行くまでの時間に課題をこなすことが習慣になっているからとりたててできないということは無いというだけ。