砂の鎖

ずっと私は、拓真を父親だと認めたくなかった。
認められる筈がなかった。

認めれば、拓真を想う気持ちが嘘になる。



拓真はずっとママを想っている。

その事実は私を苦しめ、そして安心させた。
まだこのままでいていい。
拓真はまだここにいてくれる。


それでも昨夜の様な女性がいつまた現れるとも限らない。
誰かほかの女性が、私から拓真を奪う日はいつか来るだろう。


これは、想うことさえ許されない私の唯一の抵抗。


……あの人の子供でいることが、親子でいることが……



ただ一つ、私にできる、あの人を独占できる方法なんだ……