砂の鎖

何度も、諦めようと思った。

毎日諦めないといけないと思って、毎日また、好きだと思った。


真人に告白をされた時、この人なら好きになれるかもしれないと思った。
拓真への想いを忘れられるかもしれないと思った。

子供の頃、夜の街ではなく昼間の学校で、ママを初めて認めてくれた他人が真人だったから。
私はずっと真人に憧れていたから。

だからきっと、私は真人なら好きになれる。


それでも結局は、私が真人に惹かれたところは、拓真と似ているところでしかなかった……


それなのに真人は、そんな私を真剣に見てくれていた……
それに気が付いたら、もう付き合い続けることが出来るはずもない。


拓真以上に大切な人なんて、今更見つけられる気がしない……


それでも、それなのに……

私と拓真は親子だ。

拓真の相手はママだ。

そしてママは、もうこの世のどこにもいない。


だから私は、この先拓真がママ以外の別の人を好きになったとしても、何もできない。
ただ、見ていることしかできない……


(それでも、私は……)


私はママの遺影を、真っ直ぐに見つめた。