***
「亜澄」
電話を切った私の耳にそっと、真人の声が響いた。
「真人、ごめん。いてくれてありがとう」
思いのほか桑山さんとの会話は長くなったしまった。
真人にまず謝罪を告げれば、真人は謝ることは無いと言うように首を振った。
「なんか、俺が聞いてて良かったのか?」
「……まあ、もう隠すような恥は私には無いかな」
心配そうな真人に私は笑う。
水商売の女の娘で、若い男と二人で暮らしをしている私。
今更どんな話が加わったって大したことはない。
そんな風に私が茶化しても、真人は私に冗談を返してくることは無く、彼らしい真っ直ぐな視線を私に向けて優しく微笑んだ。
「亜澄は恥だなんて思ってないんだろ?」
その言葉に少し驚いた。
やっぱり真人だ、と。
あの頃のままの真人は、今も彼の中にいる。
人からどう思われてもいいとまでは言えないけれど、ママほど、拓真ほど、私を大切にしようとしてくれた人はいない。
それを隠す必要は無い。
あからさまにすれば必ず悪く言う人がいる非常識な環境で、後ろめたい事はないのだから堂々しているべきだと思う私と、それを悪く言われるのが嫌で隠したり茶化したりする私はいつも心の中に同居している。
真人はそんな矛盾した私を真っ直ぐに見つめている。
あの頃とは変わって、不誠実な遊び心が加わっていても真人は真人だ。
それとは別の部分で真人は真っ直ぐに人を見る人なのだろう。
「亜澄」
電話を切った私の耳にそっと、真人の声が響いた。
「真人、ごめん。いてくれてありがとう」
思いのほか桑山さんとの会話は長くなったしまった。
真人にまず謝罪を告げれば、真人は謝ることは無いと言うように首を振った。
「なんか、俺が聞いてて良かったのか?」
「……まあ、もう隠すような恥は私には無いかな」
心配そうな真人に私は笑う。
水商売の女の娘で、若い男と二人で暮らしをしている私。
今更どんな話が加わったって大したことはない。
そんな風に私が茶化しても、真人は私に冗談を返してくることは無く、彼らしい真っ直ぐな視線を私に向けて優しく微笑んだ。
「亜澄は恥だなんて思ってないんだろ?」
その言葉に少し驚いた。
やっぱり真人だ、と。
あの頃のままの真人は、今も彼の中にいる。
人からどう思われてもいいとまでは言えないけれど、ママほど、拓真ほど、私を大切にしようとしてくれた人はいない。
それを隠す必要は無い。
あからさまにすれば必ず悪く言う人がいる非常識な環境で、後ろめたい事はないのだから堂々しているべきだと思う私と、それを悪く言われるのが嫌で隠したり茶化したりする私はいつも心の中に同居している。
真人はそんな矛盾した私を真っ直ぐに見つめている。
あの頃とは変わって、不誠実な遊び心が加わっていても真人は真人だ。
それとは別の部分で真人は真っ直ぐに人を見る人なのだろう。
