「亜澄」
引き留めた声は、真人。
私は一瞬足を止めたけれど、それに振り向く事はできなかった。
「俺。亜澄のこと好きだから」
そして、唐突に真人はそう言った。
始業間際の人通りが多い昇降口で、私たちの様子をうかがっていた生徒は一人二人ではない。
きゃぁと黄色い歓声が上がり、私も驚いて思わず振り向いてしまった。
周囲は突然の告白に色めき立ち、集まっていた一年生と思われる集団はまるで自分が告白されたかのように頬を染めて嬉しそうに笑いあっていて、男子生徒も囃し立て、中には口笛を鳴らす人までいた。
横井は怒りとか、唖然とか、信じられないとか、とにかく喜びではない驚きの表情を浮かべて、それから赤い顔で下を向く。
彼女の友人たちが彼女の肩を抱き代わりに睨み付けるように私を見たり、横井を憐れむように哀しげな顔色浮かべたりした。
この、まるで劇中のように、悲喜こもごもの表情を見せる観衆の中心が自分だなんて事がなんだか現実感が無く、滑稽にも思えて。
そんな中、真人は……
「放課後、話がしたい」
ただ、私をまっすぐに見つめていた。
私は何を言えばいいのか分からずに……
心配そうに小さく私の名前を呼んだ麻紀の声すら無視をして、返事をする事も無く教室に向かった。
引き留めた声は、真人。
私は一瞬足を止めたけれど、それに振り向く事はできなかった。
「俺。亜澄のこと好きだから」
そして、唐突に真人はそう言った。
始業間際の人通りが多い昇降口で、私たちの様子をうかがっていた生徒は一人二人ではない。
きゃぁと黄色い歓声が上がり、私も驚いて思わず振り向いてしまった。
周囲は突然の告白に色めき立ち、集まっていた一年生と思われる集団はまるで自分が告白されたかのように頬を染めて嬉しそうに笑いあっていて、男子生徒も囃し立て、中には口笛を鳴らす人までいた。
横井は怒りとか、唖然とか、信じられないとか、とにかく喜びではない驚きの表情を浮かべて、それから赤い顔で下を向く。
彼女の友人たちが彼女の肩を抱き代わりに睨み付けるように私を見たり、横井を憐れむように哀しげな顔色浮かべたりした。
この、まるで劇中のように、悲喜こもごもの表情を見せる観衆の中心が自分だなんて事がなんだか現実感が無く、滑稽にも思えて。
そんな中、真人は……
「放課後、話がしたい」
ただ、私をまっすぐに見つめていた。
私は何を言えばいいのか分からずに……
心配そうに小さく私の名前を呼んだ麻紀の声すら無視をして、返事をする事も無く教室に向かった。
