今、何時くらいなんだろう。


 時計のない世界、太陽の光度などで判断するしかない。


 しかし今、外は薄暗く、太陽の正確な位置が分からない。


 恐怖の大王は、あんなに輝いているのに。


 朝を迎えた時間から推測して、今は正午くらい?


 いずれにしても、夜が来るまで時間がない。


 おそらくそれまでに、この島は壊滅的被害をこうむるほどの大津波に見舞われるのだ。


 私個人の力では、津波を阻止なんてできない。


 どうすれば……。


 「瑠璃。強く抱いていてほしい。さもないと私の心はばらばらに砕けそうだ」


 私は動揺を抑えながら。


 腕の中の清廉の気持ちが落ち着くまで、ひたすら待ち続けた。