眠り姫と総長様


「驚いただろ?」

「あぁ。」


「この写真な、未衣が俺ん家に来て2日目に撮ったやつ。

無表情で冷たく、俺たちを睨むんだ。
もちろん一言も喋ってくれなかった。

かろうじて、母さんに単語で返事するくらいだった。

今の未衣からは考えられないだろ?」


「あぁ。」



いつも俺たちの前で、笑顔で明るい未衣

未衣が俺たちを冷たい視線で見ることなんてもちろん無かったし

無表情なんて見たことない。

あり得ないと思った。


「昨年くらいから、やっと未衣が笑ってくれるようになったんだ。

初めて"こーちゃん"って笑顔で呼ばれた時、俺
情けないけど泣きそうになった。

兄貴なんて本当に泣いてた。

それくらい嬉しかったんだ。

未衣が笑ってくれるなんて無理だと思ってたから。」


懐かしむように写真を見ながら説明する航輝。