眠り姫と総長様


最後のページには

ー未衣の過去ー

と書かれている。


緊張しながらページをめくると


不明


そう書かれていた。


このページを見つめていた俺に航輝は


「未衣は自分のことを一切喋らねぇんだよ。
だから、このノートに書かれていることも全部、俺と兄貴が見たことだけ。


未衣が俺ん家に来る前に何処に住んでいたのか、親が誰なのか……

なにもわかんねぇ。

未衣が2年以上も行方不明なのに、親らしき人が来たこともない。」


「………。」


確かに未衣は自分のことを喋らない。



いつも俺の隣にいるのに

ここでみんなと笑っているはずなのに

どこか遠くて、謎が多い未衣。


よくわかんねぇよ……。