「そうか。」


未衣が飲みものを持って俺の隣に戻ってきた。


「でもどうして居なくなったんだろうね?」


ービク

未衣の肩が少しだけ上がった。

隣にいる俺にしかわからないくらい。

未衣……?


「今の組長の姪だっけ?」

「あぁ。とても仲が良かったと聞いたことがある。」


もちろん親父に。


「ね、ねぇ!ゆーちゃん迎えに来たからあたし帰るね。

ばいばーい」

「また明日ねー」


早口でそう言って幹部室を出て行った未衣。

今日は土曜日。

土曜日は悠さんが未衣を迎えにくる日。

いつもは航輝か俺が未衣を家まで送る。


さっきから様子が可笑しかったが、なにか焦ったようにして帰った未衣。

どうしたんだ?