今も、俺の隣に座って航輝と陸と話している未衣。
海は何かをパソコンで調べている。
俺は、未衣の髪の毛を弄っている。
未衣のこげ茶のフワフワした髪の毛が気持ちよくてつい触ってしまう。
……ただ未衣に触れていたいだけだが。
俺、変態じゃないからな?
いや、訂正。男は皆変態だ!
もっと未衣に触っていたいが、男性恐怖症の未衣を怖がらせて嫌われたくないだけ。
「あたし飲み物入れてくるねー。」
そう言って、キッチンに行った未衣。
キッチンって行っても、幹部室の中にあるからすぐ目の前。
未衣がキッチンに行くと、ずっとパソコンをしていた海が
「篠原組のお嬢、まだ見つかってないんだって。」
パソコンを打つ手を止めて静かに言い出した。
ーガシャン
海が喋ったのとほぼ同時に、キッチンから何かが割れた音が聞こえた。
「未衣!大丈夫か!?」
「平気だよー。コップ落としちゃっただけだから。
ちょっとしか割れてないから大丈夫ー。」
呑気な声が聞こえてきた。
未衣が大丈夫なら問題ない。