「どうして…」
「お願い。」
海くんを見据えて、お願いする。
「わかった。」
「俺も未衣が拉致られたら兄貴に殺されるから、姫の存在自体伏せておいた方がいーと思う」
こーちゃんがフォローしてくれた。
ありがと。
「未衣。倉庫には毎日来れるか?」
「出来れば、週4回がいーなー。」
「どうしてだ」
「毎週、火曜日と木曜日はさっちゃんに料理を教えてもらってるのー。
あと、土曜日はゆーちゃんにご飯作ってあげるんだー。」
「さっちゃん?」
何が気に入らなかったのか、不機嫌になる湊。
「俺の母さんだよ。不機嫌になるなって」
「沙織さんのことか。」
沙織は、さっちゃんの名前。
さっちゃんが花嫁修業だ!って言って
なにも出来なかったあたしに一から教えてくれたの。
おかげで料理は上達したんだー。
さっちゃんに教えてもらった料理を
一人暮らししているゆーちゃんの家で作って食べてもらうの。