眠り姫と総長様


「最後俺。高宮 湊。」


未衣と喋れて叫ぶくらい嬉しいけど、いつも通り平然を装う。


「高宮 湊……

じゃあ、みーくん!」


えへへ、と笑う未衣。

可愛すぎる……が、
さすがにみーくんは……


「ぷっ……みーくんだってよ。陸。」


「これは爆笑もんでしょ。航輝。」


「ぷっ……良いと思うよ。湊。」


「うっせぇ…」


「ダメだった?」


涙目で俺を見る未衣。

破壊力が半端じゃない。


「…ダメじゃねぇけど、

湊って呼べ。」


「湊!わかったよー」


"湊"

未衣に呼ばれた時、俺の心臓は今までにないくらい暴れていた。


「あれー?湊顔が赤いよ?熱?

大丈夫?」


「あ、あぁ。大丈夫だ。」



俺に熱があると勘違いした未衣は、

俺のデコに手を当てて自分のデコと比べている。


「熱はないねー。でも、さっきより顔が赤いよ?」


好きな女にそんなことされたら誰でも赤くなる。


未衣は天然なのか……?