眠り姫と総長様


ー湊sideー


今日、未衣と話す約束をした日。


たった一回、数分見ただけで一目惚れした俺は自分の思ってる以上に惚れたらしい。


早く会いたくて……うずうずする。



"10時過ぎに空き教室に来い"


悠さんがそう言ったから10時になるのを屋上で航輝達と待っている。


俺はずっとケータイの時間を確認してるし、
航輝は一人でぶつぶつ何かを言っている。

海と陸は全然関係ないことを話している。


「10時になった」


俺は立ち上がって早足で空き教室に向かう。


「ちょっと湊待ってよー!

歩くの早いって!」


「湊、いきなりドア開けるなよ。

未衣が驚いちゃうから。」


「わかったよ」


航輝が未衣をそこまで心配する理由も気になるし、一緒に住んでる理由も気になる。

一番は、航輝にしか知らない未衣がいると思うとイラつく。


まだ喋ったわけでもないのに……


俺は相当重症らしい。