眠り姫と総長様


「そういえば悠さん、なんか用事があってここに来たんじゃないんですか?」


「あっ、そうだった。忘れるとこだった。海ナイス」



「聞いて驚け!特に湊。

未衣が明日お前らと話したいってよ。」


「はっ!?」


湊ではなく航輝が一番驚いてるし。


肝心の湊は固まってる。


「兄貴、嘘だろ!未衣がそんなこと言うわけ……」


「俺もビックリしたけどよー、本当なんだよ。」


「マジかよ……



俺の未衣がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



お前の未衣じゃねーよ。


未衣が男と話したいなんて成長した証拠だろーよ。


「…したい…」


「湊?」


「悠さん!明日どこに行けばいいですか?」


俺に詰め寄ってくる湊。


「お、おう。

2階の奥に使われてない教室あるだろ。

いつも未衣はそこにいるから、そこに行け。」


「ありがとうございます!」


ビックリした。

いつも表情を変えない湊が笑顔で俺にお礼を言っている。


こいつを変えるほどの何かがあるのか……

たった数分、未衣の姿を見ただけなのに


恋は人を変えるってこの事を言うのか?



確かに未衣には人を惹きつける魅力があるけどよー……