眠り姫と総長様


「未衣ちゃんは総長室で湊の事待っときな。」


「えっ、でも……湊あたしのこと嫌いだもん」


「あいつが嫌いになる訳ないね。」


「一途に未衣ちゃんだけ思ってるよ」


「見てるこっちが恥ずかしいくらいね」


「行った行った。」


海くんに押されて、総長室に入ってしまった。


バタン


ドアを閉められて、あたしは湊と話す以外道がないらしい。


ベッドに座って待っていると、湊が上半身裸で出てきた。


カッコいい


「未衣……?どうしたんだ」


「湊……その……ごめんね?」


謝ると、眉間にシワが寄る湊。


あれ?なんか怒らせちゃった?


「それは何に対して?」


あたしの隣に座って真っ直ぐ見据えながら聞く。


「湊の手を振り払っちゃって……」


「それは俺が悪かったから良いんだ。」


ゴメンな?

そう言って頭を撫でる湊。


「良かった……」


安心して、声が震える。


「なんで?」


「湊に嫌われたかと思った……」