眠り姫と総長様


「未衣。」


「ん?」


「湊と何があった?」


「………」


やっぱり聞くよねー。


「倉庫に来る前にね、湊と買い物してたの。洋服屋さんに。

試着してる時にね、店員が湊の事ナンパ?してたの……。

湊にベタベタくっついて。」


「それで?」


「試着が終わって、湊があたしを抱き締めようとしたんだけどね

あたし、その手を振り払っちゃったの……」


「マジで!?」


「どうして?」


「だって、湊の服に店員の香水が付いてて嫌だったんだもん……」


他の女の人の香水を付けたまま、抱き締めて欲しくなかったんだもん。


「あー。それは湊が悪いな。」


「だから湊から違う匂いがしたのか。」


二人とも、結構真面目な顔で納得している。


「そこから気まづくて……」


「きっとあいつも海に同じこと言ってんだろうな」


「航輝に同じくー。」


「嫌われちゃったらどうしよ……」


「未衣……お前湊の事好きなんだな」


「そうなの!?」


多分今、顔が赤いと思う。

顔を隠してると


「照れるなって。」


「てか、付き合ってるんじゃないの?」


「あっ……告白の返事してない……」


すっかり忘れてた……