眠り姫と総長様


「あの……」


「なんですか」


湊にドアの前で待ってもらって、気持ち悪い店員に話しかける。


「ほこり付いてますよ?」


「えっ、どこですか?」


「取ってあげますね。」


そう言って店員をしゃがませる。


しゃがんだ店員の耳元で


「気持ち悪いですよ。

オ・バ・サ・ン」


低い声と殺気付きで言ってあげた。


ニコッ


「ひっ……」


ビビった店員は、後ずさる。


「………」


黙って店を出ると、湊が待っていた。


「12時になるから倉庫に行くぞ」


「うん…」


さっきのこともあって、気まづい雰囲気が流れる中倉庫に向かう。


「………」

「………」


湊にせっかく服買ってもらったのに……

お礼も言ってないや。


チラッと隣に座る湊を見ると、腕を組んで目を瞑っていた。


「着きましたよ」


「あ、はーい」


いつのまにか倉庫に着いていた。


「湊、倉庫着いたよー。」


「ん…あぁ。」


やっぱり、どこか素っ気ない湊。


……あたしのせいか。


「行くぞ未衣。」


「はーい。」


先を歩く湊。