眠り姫と総長様


8時

久しぶりの倉庫だから、オシャレして行こうと思って朝から服選びをしている。


「うーん。どっちが良いかな?」


とりあえず、スカートかパンツか。

それを決めたいんだけど……


「ねぇ隆斗。どっちがいいかな?」


服選びの為に朝からあたしに起こされた隆斗は、まだ眠そう。


「んー。未衣はスカートの方が似合う」


「じゃあスカートにしよー。」


白のシフォンスカートを手に取り、今度はトップス。


黒のブラウスに決まりー。


って言っても、あたしのクローゼットにはほとんど白か黒の服しか入っていない。


ピンクとかのイメージがあるらしいけど、あまり好きじゃないんだよねー。


あとは黒のパンプスでっと。


「支度かんりょー。」


「未衣かわい…」


寝ぼけながらあたしの腰に巻きつく隆斗。
猫みたい。


「化粧しないと。」


「えっ……化粧はいいよ。」


いつも化粧はしない。

と言うかした事がない。


「俺がしてあげる。」


「メイク道具持ってないよ?」


「雅さんがこないだ買ってた。」


「隆斗、メイク出来るの?」


隆斗って男の子だよね?

男の子ってメイクするっけ?

あれれ?


「よく沙奈にやらされてたから。」


沙奈は隆斗の妹ちゃん。さぁーちゃんって呼んでるの。


「じゃあ、おねがーい」


「ん。ついでに髪もね。」