「雅さんの機嫌が悪ければ未衣の機嫌も悪くなる。
雅さんの機嫌が良ければ未衣の機嫌も良くなる。
雅さんの機嫌が直れば未衣の機嫌も直る。
あの時も雅さんの機嫌が直った瞬間、未衣もいつも通りに戻った。
さっきまで背筋が凍るほど冷たかったのに、一瞬でいつもの笑顔だ。
切り替えが早すぎるんだよ。未衣は。」
「………」
「確かに、前に未衣ちゃんが攻めてきた族の人質になった時もいきなり人格が変わったみたいだった。」
「あ"?」
海が人質と言った瞬間、隆斗の眉間にシワが寄る。
「おい。人質ってなんのことだよ。」
「タイミングが悪かったんだよ。」
「でも、未衣ちゃん一瞬で相手の総長倒したよね。」
「あぁ。冷たかった。」
「ケガしてないよな。」
「傷一つない。」
「ならいい。」
完全に寛いでいる隆斗は、机の上に置いてあるお菓子を食べている。
「じゃあ、明日12時な。遅れるなよ。
んじゃ。」
バタン
そう言って帰っていった隆斗。
「未衣ちゃんに会えるー!」
なんていって踊り出した陸。
やっとだ。やっと未衣に会える。
待ってろ、未衣。
俺はどんなお前でも受け入れる。


