眠り姫と総長様


「未衣は確実に相手を精神的に追い詰めていく。
それも怒りを通り越して笑顔で毒を吐くから余計に怖い。」


「未衣ちゃんが?」


「あぁ。世にも恐ろしい三択を出した後、クソジジイ共を一発で仕留めるし……

見ているだけの俺でも怖かったよ。」


「世にも恐ろしい三択?」


顔を引きつらせる隆斗。

なんだそれ。


「……聞かないほうが良い。」


「知りたーい!」


「………」


「知りたーい!」


「………」


「知りたーい!」


「言えばいいんだろ。はぁ……」


陸の粘り勝ちらしい。


「1、半殺しにされた後組長を辞めて、死ぬまで車椅子の生活をする。

2、半殺しにされた後組を潰され、死ぬまで車椅子の生活をする。

3、半殺しにされた後組を潰され、社会的に抹殺される。」


「………」


部屋に沈黙が流れる。


半殺しも組を辞めるのも確定かよ……


でもそんなこと未衣が言うわけ……


「言ったはずだ。同一人物か疑うし、イメージが確実に変わる。

現に俺はあの時の未衣を信じられない。

雅さんの機嫌一つで未衣の機嫌が戻るんだからな…」


「どういうことだよ。」