眠り姫と総長様


「篠原組のお嬢を怒らせてはならない」


「えっ?」


「こっちの世界で誰もが耳にすること」


そうなのか?


「今回、クソジジイ共は未衣を怒らせた。お嬢自ら制裁を下した。
異例のことだよ。」


「未衣ちゃんってケンカ出来るの?」


「出来る。そこら辺の男よりはるかに強い。」


マジかよ……


「未衣ちゃんってどうやって怒ったの?」


「………」


黙り始めた隆斗。


「聞きたい?」

「聞きたい。」

「お前らの未衣のイメージ確実に変わるぞ。」

「そんなに?」

「ってか、同一人物かどうか疑うな。」

「未衣の事ならなんでも聞く。」


「後悔しない?」

「多分しない。」


あまりにもしつこく確認する隆斗。


「これ聞いてお前らが未衣から離れても困るんだよね。」


「未衣から離れるわけないだろ。」


「そ。なら良いか……」