眠り姫と総長様


「やっと終わる。そう思ったのにさ、未衣が
"で?その後ろに隠している物はなんだ"

そう言ったんだよ。」


「隠しているもの?」

「まさか凶器とか!?」


「あー、それもそうだけど違う。」


「どっちだよ。」


「それに気づいていたのは、未衣だけだった。」


……無視かよ。


「それでクソジジイ共が出したのは
自分の息子のお見合い写真だった。」


「あ"ぁ?」


お見合い写真だぁ?

ふざけんな。未衣は俺のだ。


「未衣はね、昔から恋愛結婚に憧れてた。
だから、お見合いはしないって同盟にも傘下にも伝えていた。

それなのに、写真を持ってきたバカなクソジジイ共にキレてね……。うん。」


その顔からは恐怖の色が見える。


「雅さんがキレたの?」


「雅さんもキレてた。だけど動きはしなかった。」


「えっ……未衣って怒るのか?」


「俺も初めて見た……足がすくんで動けなかったよ。」


そんなに未衣が怒るのは怖いのか?


俺たちの知っている未衣からは想像が、つかない。