眠り姫と総長様


「いーち。」

ドカッ


蹴り一発で、気絶したジジイ。

年寄りだから当たり前か。

骨折る前に一発で終わった。


「にー。」


バキッ


「さーん。」


ボキッ


「しー。」


ドコッ


「ぅ……っ」


今回手を回した4人のジジイを一発で気絶させた未衣。


「もう気絶したの?よっわ。」


冷たく吐き捨てる未衣。


年寄りなんだから……

そこらへんにいる現役の不良じゃない。


「ひっ……」


「気分悪い。二度と私の前に現れるな」


「「は、はぃ!!」」


「未衣、その辺で辞めとけ。」


やっと止めに入った組長。

この人がヤバイと思うまで長くないか?


「知ってる。」


「待機してる奴。全員引きづり出しとけ。
おい。未衣はてめぇらのせいで気分悪いんだ。
とっとと失せろ。」


……組長の基準は未衣か。


「ひっひぃ!すいませんでした!」


慌てて出て行ったジジイ共。

未衣に殺られたジジイは組員が運んでいる。


「みー。大丈夫か?」


全員出て行くなりさっきと全然違って、優しい目をした雅さん。


「大丈夫だよー。」


それに答える未衣は、さっきまでの冷たい笑顔ではなく優しい笑顔だった。


………


たった一瞬。

雅さんに合わせて機嫌が戻った未衣。


切り替えの早さに驚いた。


ついさっきまで、あんなに冷たかったのに……


でも、いつも通りの未衣に戻って安心した。