組長に
「全員待機させました。」
「ご苦労。」
短い会話を済ませて、今にも人を殺しそうな冷たい未衣に目を向ける。
「わ、我々は未衣嬢の為にと!」
そうだそうだ、と続けるジジイ共。
「頼んでない。
自分の出世の為に、の間違えだろ。
勝手に押し付けるな。」
「未衣嬢の事を思って…」
「同盟組ならまだしも、傘下のお前らが口を出すな。」
「っ………」
顔は青ざめているも、未衣が怒っているのが分からないのか
まだ自分達が正しいと主張するジジイ共
「見苦しい。」
「我々は!」
「黙れ。何度言えばわかる。」
遮る未衣に痺れを切らしたジジイ共。
いや、身の危険を悟ったのか?
どっちにしろ、未衣にどこから出したのかナイフを向ける。
ヤバイ。
組長の方を見ると、相当お怒りの様子。
だけど、動く気配はない。
「組長。」
「黙って見てろ。
あいつが本当の意味で恐ろしくなるのはこれからだ。」
本当の意味で…?
まだ未衣が怒っているわけじゃないのか?
「ヤバイと思ったら、俺が止めに行く。
それまでは見てろ。」
「……わかりました。」
納得はしてないが、命令だから仕方ない。
まだ、未衣は蹴り一発しか手を出してない。
ナイフを向けられても、動揺しない未衣。


