眠り姫と総長様


「隆斗。
湊ってさ、難しそうに見えて
意外と単純なんだね。」


「そうだな。俺も驚いた。」


「確かにさ、未衣は俺たちにとっては妹だけど」


「妹のような存在、だからな……」



自分たちは未衣を笑わせてあげる事が出来なかったのに、

未衣の笑顔を取り戻せたあいつらに
ささやかな仕返し。


「寂しいな。」

「そうだね。」



龍神が立ち去った後、こんな会話をされていたなんて
この先知られる事はない。