眠り姫と総長様


中に入ると、副総長の城田が待っていた。

「やぁ。久しぶり」


「あぁ。」


「そこらへんに座ってくれ。」


空いているソファに座る。


「他の幹部はー?」

「全員見回りに行かせた。」


「君たち来るのが遅ーい!」

「あ?」


遅くて悪りぃかよ。


「待ちくたびれたじゃんか」

「お前らが未衣を見捨てたかと思って、
殺意を抱いたよ。」


おい、隆斗。

それをお前が真顔で言うと冗談に聞こえねぇよ。


「今さっき気づいたんだよ。」


「………」

「君たちバカなの?ねぇバカでしょ?」


「うっせーよ!バーカ!城田のアホ!」


バカバカ連発されて、キレた陸に


「多分陸よりは頭良いと思う。」


冷静に返す城田。


「っ……」


テストの学年順位は下から数えた方が早い陸にとって、図星だったらしく言い返せない。


「話が逸れる。
それで、あいつをどうしたい?」


「決まってんだろ。
連れ戻すんだよ。」


「連れ戻すって……ぷぷ

別に誘拐された訳じゃないんだからさー。」


雰囲気をぶち壊す城田。


「お前らのもとに戻らないのは、未衣が望んだことだ。」