車に乗り込み、黒蝶の倉庫に向かう。
30分程でついた倉庫は、思いの外デカかった。
倉庫のシャッターを開けると
「誰だ!?」
「総長を出せ。」
逆光で俺たちの顔が見えない黒蝶の下っ端は、
敵か味方か探りを入れる。
「何者だ?」
「龍神だ。」
ザワザワしだす倉庫。
「なんで龍神が…」
「嘘だろ…」
「黙れ。」
上から降りてきた、黒蝶の総長。
隆斗によって静かになる倉庫。
「そ、総長!」
「龍神です!」
「知っている。中に通せ。」
淡々と話すその声から、感情は読み取れない。
まるで、会合の時の未衣のように……。
「「はい!」」
真ん中の道を開ける下っ端。
ヒシヒシと視線を感じながら隆斗の元へ行く。
「………」
隆斗の目の前に行くと、無言で階段を登り出す。
付いて来いって事か?
付いて行った先は幹部室。
「入れ。」
若干上から言われるのにイラッと来たが、それがこいつだから仕方ない。
「おっじゃましまーす」
「失礼します。」
「邪魔する。」
「………」


