眠り姫と総長様


ー湊sideー

会合から帰った次の日。


俺は倉庫で、未衣をずっと探し続ける航輝達に昨日のことを話した。


「未衣を見つけた。」


「「「はっ?」」」

見事にハモった3人。


「ちょ……それ本当か?」

「どこにいたの!?」

「昨日は会合に行ったんじゃないの?」


「会合に行ったら、未衣が居た。」


「もうちょっと分かりやすく説明しろよ」

眉間に皺を寄せる航輝。


「未衣は、篠原組のお嬢だった……」


「…………」
「…………」
「…………」


時が止まったような気がした。


「あいつ、見たことないくらい冷たかった。
俺の方を見てくれなかった。

おっさん達が未衣の事を恐れていた。」


思った事を伝える。


あんな未衣、見たことない。

俺の方を向いてくれない未衣に、胸が苦しくなった。


無性に泣きたくなった。


「未衣が……」

「篠原組のお嬢……?」

「そりゃ、どんなに探しても見つからない訳だ。」




「未衣を迎えに行くぞ。」



決意したその目は、湊が本気なんだと

誰もが思った。