「恋ってなに?」
「未衣が湊を見てドキドキしたり
他の女といて欲しくないと思ったり
そう言うのを恋って言うの。
あとは、愛しいと思ったり?
俺誰かを好きになった事ないから、聞いた話だけどさ。」
「あたし、湊に恋してんだ……」
よく分からないけどそうらしい。
「湊の元に戻った時、それ本人に言ってみ?」
「分かった!」
くくっ
と新しいオモチャを貰った子供のように
楽しそうに笑う隆斗。
「それを言う時、
湊に抱きついて、上目遣いで、声を少し高くして、首傾げながら言ってみ。」
そんな事も言われた。
「んー。難しそうだけどやってみる」
「未衣。湊達の所に戻っても、お前の帰ってくる場所はここだ。
お別れする訳じゃないんだ。
もっと肩の力を抜け。」
「わかった。」
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみ」
あたしの頭をポンポンしてから、部屋を出た隆斗。
隆斗の言う事を聞いて、少し気持ちが楽になった。
会いに行ったらダメ。
そう思わなくなった。