眠り姫と総長様


「なぁ、未衣。俺のこと好きか?」


突然違う質問をしてくる隆斗。


「好きだよ?当たり前じゃん。」


従兄妹なんだから。


「雅さんのことは?」


「好きだよ。」


今のみーくんは好き。

もう怖くない。


「湊のことは?」


「………。」


湊のことはもちろん好き。


でも、あれ……?

隆斗とみーくんの事を考えても、心臓はトクトクと平常。


湊の事を考えると、ドキドキと暴れる心臓。


湊にもっと触れたい。


この気持ちはいったい何?


そんなあたしを見て、ふわっと優しく笑う隆斗。


「未衣。

湊の事を考えると、ドキドキする?」

「する。」


「湊の仕草一つ一つにドキドしない?」

「する。」


「湊の事をもっと知りたいって思わない?」

「思う。」


「湊が笑ってると、幸せな気持ちになったりしない?」

「なる。」


「湊がもし、他の女と歩いてたらどう思う?」

「ヤダ……」


想像するだけで、胸が苦しい。


病院の診察のようにたくさんの質問は終わったみたい。


「未衣。」

「ん?」


なぜか真剣な表情の隆斗。


「それは、湊の事が好きなんだよ。」


「ん?あたし湊の事好きだよ?」


なに言ってるの

と笑うと、

はぁー。とため息を吐いて額に手を当てる隆斗。