眠り姫と総長様


静まり帰った部屋。


俺は疑問に思っていた事を聞く。


「あの…。どうしてあいつに頭を下げるんですか?」


歳上だから、一応敬語で話す。


「未衣嬢が怒るほど怖いものはない。」

「あれは恐ろしい……。」


口々に言う組長方に俺の頭はハテナで一杯。


「お前は未衣嬢を見るのは初めてだよな」


……初めてじゃねぇけどな。


「あの子を怒らせる事だけは絶対にしない方が良い。」


「さて、帰るか。失礼するな。」


そう言って帰っていく組長方。


俺の周りにいる大人は、俺を困らせたいのか?


未衣の事を言ってるはずなのに、俺の知りたい情報をくれない。


いつの間にか部屋に残ったのは、俺と親父と雅さんだけだった。


席から離れない雅さん。


もしかして俺の為に待っていてくれたのか?


いつもは一番最初に出ていくはずだから