眠り姫と総長様


ガラガラ

先に雅さんが一人で入ってきた。

いつもながら当然無表情。


隆斗はどうした?


まだ入って来ない隆斗が気になり、ドアに目を向けると



未衣………?



黒いスーツを着た無表情の未衣と隆斗が入ってきた。


未衣が入ると同時にざわめき出す部屋。


「まさか……。」

「未衣嬢なのか?」

「間違いないだろ」

「でも行方不明のはずじゃ」


口々にヒソヒソと話す組長方。


でも俺はそれどころじゃない。


なんで未衣がこんな所にいるんだ。


一瞬、俺を見て固まる未衣は目を見開いていた。

でもそんなの一瞬で、すぐに無表情に戻り雅さんの隣の席に隆斗と座った。


俺の頭はまだ混乱していた。


何一つ分からないまま、疑問だけどんどん増えていく。