眠り姫と総長様


「この話は終わりだ。
報告を始めるぞ。」


みーくんの一言で報告を始める組長達。


あたしは聞いてるだけ。


「……以上です。」


最後の組が報告を終える。


「解散。」


みーくんが締めて、会合が終わる。


会合が終わって、隆斗と部屋を出ようと立ち上がると


「未衣嬢。」


組長達に呼び止められた。


振り返ると、全員膝間付いている。


「なんだ?」


「無事でよかったです。」


いきなりどうした?


「我々命がある限り、未衣嬢をお守りすることを誓います。」


「…………。」


騎士が姫に忠誠を誓う時のようなシチュエーション。

相手はおじさんだけど。


「おかえりなさい。未衣嬢。」


心が温かくなるのがわかる。


あたしの機嫌を伺う組長達は嫌いだけど、今は別。


「ふふっ。ただいま。」


きっと微笑んでいるあたしに驚く組長達


「行くよ。」


「あぁ。」


すぐに顔を無表情に戻して、隆斗と部屋を出る。