未だにざわついてる部屋。
「おい。」
気の長くないあたしは声を発する。
シーン……
部屋に沈黙が流れる。
顔を真っ青にする組長もいる。
「2年も顔を出さないと、私の性格を忘れるのか」
機嫌が悪くなるあたしに、ヤバイと身を硬くする組長達。
「言いたい事があるなら直接言え。」
「「す、すいません!」」
頭を下げる組長。
仮にも組長が、あたしに頭を下げている姿を見て組員は何を思うだろう……?
あたしは情けないとしか思わない。
そう言えば、みーくんに何も喋らなくて良いって言われてたっけ?
みーくんの方を見ると頷いていた。
これは、喋っていいと言うサイン。
「それで、何を聞きたい」
「未衣嬢は、行方不明と聞きましたが……」
「その件については説明する。」
めんどくさいなぁ……。
「叔父様に許可を貰って海外の方に旅行に行っていたんだ。
つい先日帰ってきたばかりだ。
心配かけて悪かったな。」
もちろん嘘だけど、バカなおじさん達は納得するはず。
「そうでしたか……。」
「それを聞いて安心しました。」
「未衣嬢が無事でなによりです。」
……ほらね?