「篠原組組長、若頭が到着しました。」


どうやら、あたしが居ることは本当に最後まで内緒らしい。


ガラガラ


組員がドアを開けるとみーくんが一人で先に入る。


「未衣。」


小声であたしを呼ぶと、手を差し出す隆斗。


あたしはその手を握る。


「入るよ。」


「うん。」


2人で部屋に入ると、静かだった部屋はざわめき出す。


「まさか……」

「未衣嬢なのか?」

「間違いないだろ」

「でも行方不明のはずじゃ」


そんな事をひそひそ話す同盟組の組長達


あたしと隆斗は、みーくんが座っている席の隣に座る。


全国ツートップの篠原と高宮は横に並ぶ。


いっちゃんだけかと思ったら違うらしい。


湊がいっちゃんの隣に座っていた。


驚きの余り、目を見開く。

湊もあたしと同じように、驚きに溢れていた。


そういえば湊って、いっちゃんの息子だった………。


すっかり忘れてた……。


だから、隆斗は大丈夫かって心配してたのか。