眠り姫と総長様



「ヤダヤダヤダヤダ!」

「未衣お願い!」

「俺も航輝もいるから!」


中学三年生の冬。

受験一色になるこの時期。


岡崎家では、そんなやりとりが毎日行われていた。


「学校なんて行きたくない!」


そうこれ。

こーちゃんと同い年のあたしも一応受験生。

中学校は、ここに来たばかりで落ち着いてなかったため行かなかった。


だから、勉強は高校の教師になったゆーちゃんに教えてもらってた。


「未衣、高校行ってよ」


「男の子いるじゃん!」


女子校って選択肢もあったけど、片道2時間以上行かないとなかった。


家から近いのは、青華高校。

ゆーちゃんが先生をしている学校。


「俺も青華に行くから」


「俺だって先生してんだから。
なんかあったらすぐ呼べるだろ?」


こんな感じで、青華高校に受験しろと
毎日言い争っている。


「男の子いる学校なんて無理!」


怖くてとてもじゃないけど行けない。


「未衣のためなんだよ……」


そんなこと言われたって……。