眠り姫と総長様


岡崎家に来て、約1年。

時が過ぎるのも早いなんて言ってみる。


その間、1回もみーくんが来ることはなかった。

まだあたしの居場所がわかってないのか……

いや、みーくんだ。

きっともうあたしの居場所なんてわかってるはず。


じゃあ、なんで迎えに来ないの……?

あたし、みーくんに捨てられた?


でも、みーくんから離れたのはあたしの方だ……。


みーくんから逃げたくせに、みーくんが迎えに来ないと不安になる。


矛盾した考えがその頃のあたしにはあった。



「未衣……?」

ぼーっとしていたあたしに声をかける航輝くん。


航輝くんとお兄ちゃんと話すのは、必要な時だけ。

それ以外は、2人の話すことに
頷いたりするだけ。


航輝くんの方を振り向くと、


「未衣。俺の名前呼んで…?」


不安そうにお願いされた。


その姿がちょっと可愛くて


「……こーちゃん」


あだ名で呼んでみた。